空家空地活用協会の blog

空家、空地の活用を通して地域の活性化を図ります

空き家の有効な活用方法について

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廃屋の写真


都市部や田舎の各地でよく見かけるようになった空き家。
その空き家をうまく活用する方法はないのでしょうか? 
よく、親が亡くなった後の空き家に、子供などが住めばよいのではないか、という話もありますが、親が亡くなるのが大抵80-90代。
そうするとその時の子供がだいたい60代前後です。 
通常自分の住宅を持っています。
わざわざ親の古い家に住む必要は少ないでしょう。
それで、家が空いたまま放置されてしまいます。 
しかし、自分が育った思い出の家ですので、なかなか遺品の整理すらできません。
思い出の品を整理するのは、時間と労力ばかりかかります。
この場合は、空き家の管理サービスを用いて、見守りをして維持管理をすることができます。
しかしながら、家の維持には、固定資産税が掛かります。
朽ち果てないように維持するには費用が掛かってしまいます。
どうすればよいのでしょうか? 

空き家をどう活用するか
朽ち果てた住宅のまま放置していますと、自治体から特定空き家に指定されます。
その場合は、土地の固定資産税が約6倍に跳ね上がるだけでなく、自治体から、取り壊しをするよう勧告がなされますし、取り壊しをしない場合は、自治体が行政代執行で取り壊すことがありますが、取り壊し費用は後で所有者に請求されることがあります。
この場合、解決にはいくつかの選択肢があります。 
1つは、単純に売却する、ということです。当職において、売却の相談をすることができます。
さて売却する場合は、ほとんどが耐用年数も大幅に超過しておりますので、古家付売地となるでしょう。
しかし、道路付けが良いことが条件になるようです。
路地奥などで再建築不可の土地や、借地上の家などは、売るのも大変苦心することでしょう。
場所によっては無償に近い価格で譲渡するという形しかない場合もあります。 
もちろん、取り壊ししてから、土地として売却するという方法もありますが、これも再建築不可などですと、売りようがないということもあり得ます。 
もう1つは、賃貸をする、つまり、空き家を何らかの方法で貸すということです。
貸すと返ってこないとか、建物を汚されるとか、まだ遺品等が置いてあるなど、いろんな問題があるでしょう。 
しかし、空き家にしておいて、空気に貸しておいたところで、支出がかさむばかりで、収入にもなりません。
少しでも収入があったほうが、それで固定資産税等も賄えるため、お得と言えるでしょう。

空き家を貸す方法
さて、貸し方にもいろいろありますが、大きく分けると、区切って貸すというシェアハウス方式と、まとめて貸すという戸建賃貸方式があります。 
また、戸建賃貸方式には、住宅用途として貸すのか、また商店など商用として貸すのか、さらには、最近増えてきた民泊、簡易宿所として貸すのか、といった方法があります。
まず、シェアハウス方式として、1つの部屋に1名、という具合に、例えば空き家が5DKとしますと、5部屋に合計5名入居していただく、ということができます。 
しかし、シェアハウス運営ノウハウがないと難しく、またシェアハウス代行業者に依頼すると、代行手数料も高くついて、結局収入としては同じだが、建物摩耗は激しくなる傾向、ということがあるかもしれません。 
また立地の問題がありまして、私の例で言いますと、老朽住宅ですが、京都市右京区花園という、まだ都心に近い地域で営んだ場合は、満室が続きました。
しかしその後京都市右京区嵯峨という、観光地に近いが都心から離れた地域で営んだ場合、入居者確保に苦労するということもありました。
それで、賃貸業を営んだことがない通常の方が取り組みやすいのは、まず戸建賃貸方式ではないかと思います。
家1軒をまるごと1名の方または1社に貸す、という方式です。素人でも運営しやすいものです。 
今、賃貸住宅サイトを見ますと、マンション、アパートの掲載は多いですが、一戸建て住宅の募集は、まだまだ少ないものがあります。 
しかし一戸建てに住みたい人は、ファミリーを中心に比較的多いため、多少古くてもお客様が付きやすい、ということがあります。 
さて、家を貸すには、家をかなり直さないといけない、と思われるかもしれません。 

空き家を直さないで貸す方法
しかし、空き家を直さなくても、貸すことはできます。 
現在国交省で、DIY型賃貸借ということを勧めております。 
これは、借主負担で小規模修繕を行えるようにするもので、そのモデル契約書等も整備しています。 
つまり、すべて貸主側できちんと修繕を行って貸すことは、確かに望ましいものの、それができない場合は、借主に直していただくこともできる、ということです。 
また多少の改善で、入居者様が付く場合もあります。 
例えば、私の経験した事例で、大阪府四條畷市の古い一戸建ての例があります。 
必要な所以外、家本体はあまり直していないのですが、家の前に車1台分のスペースがありまして、庭になっていたのを、ブロック塀を外して整地して車1台停められるようにしたら、すぐにファミリーが入居されまして、現在に至るという事例もあります。 
基本的に、DIY型賃貸ということで、借りる人が直していいですよ、ということで、通常より少し安い値段で貸している、ということがあります。 
また、借りる人が何かのトラブル、例えば近所迷惑な行為や家賃滞納などを起こすのではないか、という心配もあるかと思います。 
その対策としては、現在は管理会社があり、家賃保証会社がありますので、そういう会社を使うことにより、ある程度未然に防止し、発生した場合ふさわしい対処をしていただくことができます。
また、商用、わけても宿泊用途に使いたい、という場合もあるかもしれません。 
しかし、簡易宿所や民泊の運営を自ら行う場合、許可も必要ですが、要するに事業経営ですので、経営手腕が問われるということになります。 
さらに最近出てきたのは、貸会議室運営や空きスペース貸のようなことがあり、それぞれスペイシーのような、貸したい人と借りたい人をマッチングさせるサイトができています。民家でも貸会議室や貸スペースのようなことをすることもできます。ただしこれは立地が大切ということもあります。


要約すると、現代はただ放置するだけでも、住居用として貸し出すだけでもなく、多種多様な選択肢があり、また貸主と入居者・利用者を結びつけるマッチングサイトなども発達してきましたし、また住宅分野においては、多種多様な代行業もありますので、それらを賢く用いながら、空き家の有効な活用を行うことができるということです。
つまり、あくまでも活用しようというやる気、そして粘り強さ、また努力が必要であり、かつそれが実っていく、ということではないかと思います。

空き家について、貸すのか売るのか、どうしたらよいのかわからない場合は、当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。

http://tokaihorei.com