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借地権の空き家をどうしたらいいのか?

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借地等価交換

借地権について
通常の建物は、土地と建物が、同じ人または会社の所有です。
しかし、土地と建物の所有者がそれぞれ異なっている場合があります。
いわば、他の人の土地を借りて、その上に自分の建物を建ててる、というわけです。
それが、借地権ということになります。
つまり、建物の所有を目的として、地主から土地を賃借することを指します。
更新をして借地を続ける借地権もあれば、50年などで終了する借地権もあります。
いずれも賃料を毎月または毎年払わないといけません。
そんな借地権の家が空き家になっていると、管理費用や固定資産税の支払の他に、借地料までかかってくる、ということになります。
それで、その家を実際に自己使用したり、賃貸していなければ、もったいないお荷物ということになります。
新築や所有権移転をするには承諾料がかかりますし、また定期的に更新料がかかってきます。
そんな借地の上の空き家、どうすればよいのでしょうか?

借地権の解決方法について
借地権の解決方法として、基本的に6つ挙げられます。
簡単に説明したいと思います。
1.借地権者が地主から底地を買う。これは建物所有者が地主から土地を買い取って、土地と建物を同じ所有者にする方法です。
2.地主が借地人から借地権を買う。これは1の逆で、地主が建物所有者から建物を買い取って、空き家である建物を地主に売却する方法です。第三者に売るのではなく地主に売るということです。
3.地主と借地権者が一緒に売却する。これは地主と空き家の所有者が同時にセットで第三者に売ることです。これで初めてこの不動産が市場価格になるというメリットがあります。
4.地主と借地権者が各々単独で売却する。これは空き家を、借地権付きの建物として第三者に売ることです。土地の所有者が単独で土地だけを売却するということもできます。
5.底地と借地権とを交換する。これはある程度の面積があること、また地形、地型、道路付けなどの条件が必要ですが、たとえばこの敷地の半分は、土地も建物も地主所有、残りの半分は土地も建物も借地人所有とする方法です。そして売却もしやすくしていくということになります。
6.地主と借地権者がディベロッパーと等価交換する。これは5.の交換の変形で、ディベロッパーがマンションなどを建てて、地主と借地人が自分の権利の価値に応じて、完成したマンションのスペースをもらうという方法です。
こういった方法を、実際の地主や借地人の事情や、土地や建物の形状等を考慮しながら組み合わせていくということになります。
その方法を実施する前に行う必要のあることがあります。
1.真の借地権者を確定させる。当初に地主が土地を貸した人と今使っている人が違う等、時間がたつにつれて変化していきますので、実際に借りているのは誰かを確定させることが必要です。
2.賃貸借契約書がなければ、早急に作成をする。契約書がない場合や紛失した場合もありますので、地主と現在の借地権者との間で、有効な契約書を作成することです。
3.借地面積を確定する。どこからどこまで借りているのか、ということです。測量が必要なら、土地家屋調査士等を呼んで測量士、確定すべきということです。
4.土地所有者や建物所有者が故人のままなら、相続登記をしておく。今の地主の他にも権利を持っていることが書類上わかってくると、その人の印鑑も必要になります。これは建物名義が故人のままでもトラブルになりますので、相続登記が必要ということになります。
5.共同で売却などをする場合には、底地・借地権割合を合意しておく。借地権はコーヒーカップとソーサーの関係であり、それぞれに権利があります。それで、土地所有者が何割、建物所有者が何割と決めておいて、それで売却処分等をしていくことになります。
6.公正中立なパートナーを選定する。地主と建物所有者は、ともすると利害が対立します。双方ぞれぞれが別の弁護士、司法書士などの有資格者、または信頼できる不動産業者などを選定して交渉することができます。
このように、借地の上の空き家の活用のためには、ハードルが高いですが、状況に応じ、手順を追って上記方法を行ってみるということになります。
具体的には当職に問い合わせ相談してみてはいかがでしょうか?

借地権の空き家について、貸すのか売るの、どうやって解決するのか、どうしたらよいのかわからない場合は、当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。

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