空家空地活用協会の blog

空家、空地の活用を通して地域の活性化を図ります

空き家を売るのと貸すのと、どちらが良いか

空き家を放置しておくと、様々な問題が生じます。
管理だけ委託するにしても、管理費がかかります。
また売るか貸すか、自分で使うのかは、空き家が増加していく現代においては、問題を先送りしているだけとも言えます。
それで、売るか貸すかは、空き家の所有者が決めないといけません。
では、売るか貸すか、どちらが良いのでしょうか?
どちらにしても、メリットもあればデメリットもあります。
それで、個々の状況に応じた判断をすることが必要になります。

<h2>空き家を売る場合</h2>
空き家を売るメリットとしては、いっぺんにまとまった資金が入ってくる、ということが挙げられます。
但し、その売却した金額がまるまる自分の手取りとなるわけではありません。
譲渡所得に対しては譲渡所得税がかかってきます。
平成28年(2016年)年度の税制改正において、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」といって、条件を満たせば3000万円の特別控除を受けることができるようになりました。
この特別控除を受けることができたら、空き家の売却益が3000万円以下であれば、税金が課税されないというわけです。
従来、3000万円の特別控除を受けるためには、所有者がそこに住んでいた家や土地を売る場合、という条件が付いていました。
それが、増加する空き家問題への対処として、自ら住んでいなかった空き家であっても、条件を満たせば、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の3000万円の特別控除が受けられるようになりました。
この適用条件は下記の通りです。
1.1981年(昭和56年)以前に建築された家(旧耐震基準で建てられた家)
2.相続する前、亡くなった人が一人で住んでいた家
3.相続した時から譲渡(売却)まで賃貸などに使われていないこと
4.新耐震基準に適合する家にして売却するか、家を解体して土地だけ売却する場合
5.譲渡(売却)期間は、2016年(平成28年)4月1日から、2019年12月31日まで
6.相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡(売却)したもの
この4.について、工事には費用が必要ですが、解体や工事に国や自治体の補助金が使える場合もあり、これは調べたり問い合わせたりすることができます。
また、隣接住民への対応や草刈りなどの日々の管理面えの気苦労、また固定資産税の支払といった必要もなく、売却先が見つかりさえすれば、手間や手離れは一番少ない方法といえます。
一方デメリットとしては、売却先がなかなか見つからない、ということがあります。
立地条件が良ければ、隣地の方や知り合いで購入希望者を見つけるのは容易かもしれないが、特に交通アクセスや買い物の不便な場所での空き家の売却の場合、売りたくても売れないケースも多々あります。
不動産業者を通して売却する場合は、(住宅価格の3%+6万円)×1.08(消費税)の仲介手数料が必要ですし、不便な場所で売るのは、不動産業者でさえ売却先を探すのは容易ではないということがあります。
また更地にしてから売る場合は、家を解体するには解体費用が必要になります。
また更地にして土地だけにするという場合、固定資産税が最大4.2倍に増えてしまいます。
空き家をお金を払って解体したのに、売却できない場合、翌年から税金が大幅に増えるということもあり、空き家のまま放置されてしまうということにもなっています。
このように、空き家を売るのはけっこうなお金が動くことを念頭に置いておくことが大切と言えます。

<h2>空き家を貸す場合</h2>
空き家を貸す場合のメリットは、空き家にしておくだけでは入ってこなかったお金、つまり賃料収入を確保できるという点にあります。
長期的に安定して賃貸できたら、売却するより手取り収入が多くなるということもあります。
また、空き家を売る場合は、資産である空き家を手放すことになりますが、空き家を貸す場合は、資産を保有し続けることができます。
それで、親の住んでいた実家を一旦賃貸に回して、それで将来自分や子供、孫などが住むという可能性を残せることになります。
一方デメリットとしては、どうしても手入れが必要なため、リフォーム費用がかさむということがあります。
短期間でも空き家になっていた物件は、人が住んでいるときに比べて劣化が早く、大規模リフォームを行わないと貸せないケースもあります。
また無事に入居者が決まっても、家賃滞納などのトラブルが発生し、それらの対応に悩まされる可能性もあります。
現在は家賃保証会社もありますが、滞納をいつまでも放置できるわけではありません。
また、一旦入居者が引っ越し、次の入居者がなかなか決まらず空室状態が続くと、家賃収入が得られず、空き家の状態と同じになります。
初期投資としてリフォーム費用をかけたものの、当てにしていた収入はほとんど入ってこなかったということにもなりえます。
また家を貸すということは、賃貸物件を所有することになりますので、もし事業的な規模である場合には、不動産収入という家賃を得る個人事業主となります。
そのため、開業日から1か月以内に、「個人事業主の開業・廃業等届出書」を管轄税務署に提出し、所得税などの税金を納めるための準備が必要となります。
また、青色申告承諾申請書は、開業日から2か月以内に提出、また青色事業専従者給与額を必要金額に定める年の3月15日までに、専従者給与の届出書を提出する必要もあります。
また、確定申告に向けて、収入や経費の帳簿記載が必要になります。
それも、自営業なら普通に行っていることですが、それが本職がサラリーマン等ですと、負担になるのかもしれません。


空き家を売ったらいいのか貸したらいいのか、お困りの場合は、当職においても相談を受け付けております。
またお気軽にお問い合わせください。

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